数年前からfacebookなどSNSで広まっている、英語で書かれたひとつの詩があります。子育てを経験したことのあるママなら、思わず涙せずにはいられない……。
世界中のママたちが深くうなずき、癒された「最後のとき(The Last Time)」という詩をご紹介します。

■『最後のとき』

赤ちゃんをその腕に抱いた瞬間から あなたはこれまでとは全く違う人生を生きる
以前の自分に戻りたいと思うかもしれない
自由と時間があって 心配することなど何もなかったあの頃の自分に
今まで経験したことがないほどの徒労感 毎日毎日まったく同じ日々
ミルクを与えて背中をさすってやり おむつを替えては泣かれて
ぐずられて嫌がられて 昼寝をしすぎてもしなくても心配で
終わることのない永遠の繰り返しに思えるかもしれない

だけど忘れないで……
すべてのことには、「最後のとき」があるということを

ご飯を食べさせてやるのはこれが最後、というときがやってくる

長い一日のあと子どもがあなたの膝で寝てしまう
だけど眠っている子どもを抱くのはこれが最後

子どもを抱っこ紐で抱えて出かける
だけど抱っこ紐を使うのはこれが最後

夜はお風呂で髪を洗ってやる
だけど明日からはもう一人でできると言われる

道を渡るときには手を握ってくる
だけど手をつなぐのはこれが最後

夜中こっそり寝室にやってきてベッドにもぐりこんでくる
だけどそんなふうに起こされるのはこれが最後

昼下がりに歌いながら手遊びをする
だけどその歌を歌ってやるのはこれが最後

学校まで送っていけば行ってきますのキスをしてくる
だけど次の日からは一人でだいじょうぶと言われる

寝る前に本を読み聞かせて 汚れた顔をふいてやるのもこれが最後

子どもが両手を広げて あなたの胸に飛び込んでくるのもこれが最後

だけど「これが最後」ということはあなたには分からない
それがもう二度と起こらないのだと気付くころには
すでに時は流れてしまっている

だから今、あなたの人生のこの瞬間にも
たくさんの「最後」があることを忘れないで
もう二度とないのだと気付いてはじめて
あと一日でいいから、あと一度きりでいいから、と切望するような
大切な「最後のとき」があることを

■今このときを大切に

 作者不詳とされているこの詩は、2年ほど前にとあるブログで紹介されたのをきっかけに、英語圏の国々のママたちの間にじわじわと広まり共感を呼んできました。この詩を取り上げたブログや記事には、世界中のママたちから次々とコメントが寄せられ、今なお増え続けています。

『泣いちゃった……。日々の全てを愛するって大事なことよね(クレアさん)』

『毎日の出来事がすべて大切な贈り物。親であるということは世界一素晴らしいことね(キンバリーさん)』

『すばらしい詩。若いママたちに、毎日を大切にして子どもたちを抱きしめ、幸せな思い出を残してやることが一番大事なんだということを教えてくれる(マーガレットさん)』

 おそらくこの詩は、子育てのまっただ中にいるママたちへのメッセージとして書かれたものでしょう。毎日いっぱいいっぱいで子育てをしているママたちに、少し先のことに想いを馳せてから、もう一度、目の前の子どもを見つめ直して欲しい……。そんな気持ちが込められているような気がします。

■誰もが悩み、後悔し、そして許される

 いっぽう、この詩に胸を打たれSNSなどで拡散した人の多くは、実は子育てが一段落したママたち。それだけこの詩が「本当のこと」を語っているからなのでしょうね。

 子育てがちょっと楽になってはじめて、ママたちは「もっと抱きしめてやれば良かった」「一緒に遊んでやりたかった」「もっと話をきいてやっていたら」などと考えるもの。そんな時にこの詩にふれて、ママたちは少しだけ「許された」気持ちになるのではないでしょうか。

『あの頃を思い出して泣いてしまった。もっとちゃんとしなきゃと後ろめたく思うことが多すぎたけど、時間はあっというまに過ぎてしまう(コーゥエルさん)』

『とっても大切なメッセージ。うちは子どもが大きくなってからも、手をつないだり一緒に出かけたり、抱きしめたりすることがある。そしてそれはきっと、子どもが小さい頃に、迷いながらもちゃんと日々を大切にしてきたからだと思いたい(アマンドさん)』

『この詩は感動的だし本当のこと。でも「最後のとき」はただ訪れてそれでお終いなんじゃないと思う。それぞれの「最後」は、かたちを変えてその先へと続いていくの。それが今の私の幸せにつながってる(ブリナーさん)』

「最後のとき」の詩は、子育て真っ最中で大変なママたちにも、「もっと色々してやればよかった」とちょっぴり後悔しているママたちにも、きっと響くはず。少し大きな気持ちで、毎日のことや目の前の子どもたちを見つめ直すことができたらいいですね。